この記事では、2024年11月に開催されたMicrosoftの開発者・ITプロ・パートナー向け大型イベント「Microsoft Ignite」で発表されたPower Platform関連の最新情報をまとめてご紹介します!
Microsoft Ignite 2024で発表された、主なPower Platform関連の最新情報は以下です。
- 【Power Apps】新しいプランデザイナーの提供
- 【Power Apps】エージェントビルダーの提供
- 【Power Apps】モデル駆動型アプリのCopilot新機能
- 【Power Automate】AIプロンプトでマルチモーダルコンテンツ処理が可能に
- 【Power Automate】ジェネレーティブアクションを提供
- 【Power Automate】Copilotによる式の作成が可能に
- 【Copilot Studio】トリガーによる自律型エージェントが可能に
- 【Microsoft Fabric】Fabric Database(SQLデータベース)を提供
Youtube動画で見たい方は、こちらからどうぞ!
Microsoft Igniteでは、このほかにも色々な最新情報が発表されました。
より詳しい情報を知りたい方は、Microsoft Igniteのニュースブックをご確認ください。
【Power Apps】新しいプランデザイナーの提供
Power Appsの新しいプランデザイナー(プレビュー)が発表されました。
新しいプランデザイナーを使うと、どのような課題をアプリで解決したいか簡単に説明することで、アプリの「要件定義」「ユーザー(アクター)」「アクターの役割(ロール)」のドキュメントを自動で作成してくれます。
最終的にCopilotで、複数テーブルの自動作成、データモデリング(リレーションシップの作成)を行い、複数画面のアプリも自動作成できます(既に使える機能です)。
アプリの要件定義~実装までAIを活用して効率化できますぞ!
【Power Apps】エージェントビルダーの提供
Power Appsのエージェントビルダー(プレビュー)が発表されました。
Power Appsのエージェントビルダーを使うと、Power AppsアプリからCopilot Studioのエージェントを迅速に作成できます。
アプリに既に組み込まれている既存のナレッジ、ロジック、アクションを使用して、タスクを自律的に処理するカスタムAIエージェントを開発できるようになります。
【Power Apps】モデル駆動型アプリの新しいAI機能
Power Appsモデル駆動型アプリのAI機能を使うと、Wordのドキュメントやメールの情報をドラッグ&ドロップや、コピペをすることで、文章内の情報から必要な情報を抽出し、自動でアプリのフォームに入力されるようになります。
今までやっていたように、ドキュメントから、わざわざ自分でデータを探してコピペする必要がなくなるのですな…
またモデル駆動型アプリのCopilotを使い、自然な言語で質問することで、Dataverseから必要なデータを検索できるようになります。
例えばCopilotで、「期限が今月末までで、ステータスが未完了のプロジェクト一覧データを表示して」というように質問する感じです。
各列のフィルターを逐一設定して絞り込まないでも、データ検索が簡単にできるようになるのですね。
【Power Automate】AIプロンプトでマルチモーダルコンテンツ処理が可能に
Power AppsやPower Automateで使える「カスタムAIプロンプト」で、PDF等のドキュメントや、画像ファイルのマルチモーダルコンテンツ処理をサポートするようになりました。
例えば、受信メール、PDF等のドキュメント、画像ファイルを直接読み込み、処理を自動化できます。
試しにパワ実のPower Apps本(ゼロから学ぶPower Apps)のPDFファイルを読み込ませて、概要を生成してもらうこともできました。
今まで「テキスト認識エンジン」+「カスタムAIプロンプト」でやってた処理も「カスタムAIプロンプト」だけでできますぞ!
【Power Automate】ジェネレーティブアクションを提供
Power Automateのクラウドフローで、自然言語入力から、AIを活用したステップ、アクションを作成できるようになります。
例えば、請求書の要件のWordファイルをアップロードした上で、以下のようなプロンプトを入力して、Power Automateのアクションを自動で作成できます。
<プロンプトの例>
- 要件が満たされていない場合、不足している要件を箇条書きでまとめてベンダーにメールで返信する。
- 全ての要件がみたされた場合、承認依頼を作成する。
上記のようにプロンプトを入力すると、受信した請求書のメールと、アップロードした請求書の要件内容を比較し、請求書のメールに必要な要件がすべて含まれているか検証するアクションを自動作成してくれるようです。
【Power Automate】Copilotによる式の作成が可能に
Power AutomateのCopilotで、関数式の自動作成が可能になります。
Power Automateを使っているとき、関数式をどのように書けばよいのか迷うことも多いかと思います。
Copilotに構築したい式を説明することで、フロー内の動的なコンテンツを参照して、適切な関数式を自動で構築してくれるようになります。
【Copilot Studio】トリガーによる自律型エージェントが可能に
Copilot Studioで、トリガーによる自律化エージェントの構築が可能になります。
これまでCopilot Studioでは、ユーザーからのチャットを通して、ユーザーとやり取りするチャットボットの作成が可能でした。
新しく「トリガーの追加」をすることが可能になり、データの変更や、イベントをトリガーとして、人間の介在を必要としない完全に自律的に動くエージェントが構築できるようになりました。
【Microsoft Fabric】Fabric Database(SQLデータベース)を提供
Microsoft Fabricで、SQLデータベース(Fabric Database)の提供が開始されます。
Fabric Databaseは、Azure SQL Databaseを基にしたデータベースです。
APIエンドポイントを作成し、APIを簡単に使うことができるため、これにより外部アプリから自由にFabric Databaseのデータを参照・更新することができます。
Fabric Databaseを使うことで、今後はAIアプリの構築等も容易にできるようになります。
最後に
この記事では、Microsoft Ignite 2024で発表された、Power Platform関連の8つのニュースを紹介しました。
- 【Power Apps】新しいプランデザイナーの提供
- 【Power Apps】エージェントビルダーの提供
- 【Power Apps】モデル駆動型アプリのCopilot新機能
- 【Power Automate】AIプロンプトでマルチモーダルコンテンツ処理が可能に
- 【Power Automate】ジェネレーティブアクションを提供
- 【Power Automate】Copilotによる式の作成が可能に
- 【Copilot Studio】トリガーによる自律型エージェントが可能に
- 【Microsoft Fabric】Fabric Database(SQLデータベース)を提供
まだ利用できない機能も多いですが、使えるようになった際はこのブログでも紹介していく予定です。
最近はAI関連機能に関するアップデートが多いですな!
今後も、Power Platformに関する最新情報を発信していきます。