この記事では、2024年5月に開催されたMicrosoftの開発者向け大型イベント「Microsoft Build」で発表されたPower Platform、Copilot関連の最新情報をまとめてご紹介します!
Microsoft Build2024で発表された、主なPower Platform、Copilot関連の最新情報は以下です。
- Copilot Studioの新機能を発表
- Power Automate Desktopで、音声や画面共有のAIレコーディングが可能に
- Power Appsで複数テーブルからのアプリ自動作成が可能に
- Power Appsで、リアルタイム共同編集や、コードコピーが可能に
- Microsoft Fabricで、リアルタイムインテリジェンスのプレビューを開始
- ローカルデバイス上でAIを動かせる「Copilot + PC」を発表
Microsoft Buildでは、このほかにも色々な最新情報が発表されました。
より詳しい情報を知りたい方は、Microsoft Buildのニュースブックをご確認ください。
Youtube動画で見たい方は、こちらからどうぞ!
Copilot Studioの新機能発表
Copilot Studioの新機能が発表されました!
Microsoft Copilot Studioは、旧Power Virtual Agentsの機能が統合されたもので、AIチャットボットを簡単に作ることができます。
今回は、Copilot Studioについての様々な機能拡張について発表されました。
Copilot Studioは、Teams、LINE、Dataverse、JIRA等、様々なコネクタを使うことができます。
例えば、これまでのようにユーザーによるチャットでの相談をトリガーとするだけでなく、顧客からのメールが届いたときに、その顧客との以前のやり取り等、詳細情報を調べて、適切な返信を返す等のアクションをすることも可能です。
これまでのやり取り等の、データを学習することで、例えば住所や生年月日等の情報を何度もやり取りすることなく、継続的に、それぞれのユーザーに応じ、パーソナライズされたやり取りができるようになります。
Copilot Studioを使うには有償のライセンスが必要ですが、製品サイトから、デモを試すを選択すると、Webサイトを指定して、簡単にチャットボットを作成することができるので、是非試してみてください!
Power Automate Desktopで、音声や画面共有のAIレコーディングが可能に
Power Automate Desktop(PAD)で、音声や画像共有のAIレコーディングができるようになります。
これまでのCopilot機能は、テキストで説明文を入力し、フローを自動作成してもらう形の使い方でした。
しかし、Power Automate Desktopでは今後、AIレコーディング機能を使って自分の画面を共有しながら、音声で自動化したい操作の説明を指示することができます。
例えばExcelのデータや、登録先のWebシステムを共有しながら、Excelのこれらのデータを、このWebシステムに1件ずつ登録していきたい等、人に話すように説明することで、自動でフローを作成してくれるイメージです。
PADのフロー作成は複雑で、テキストのみでの説明には限界があると思います。
今後のアップデートで、画面共有や音声での説明が可能になると、今よりもずっとPADフロー作成の敷居が下がりそうですな!
今はまだこの機能は使えませんが、今後使えるようになった際は、私のブログや、YouTubeでも使い方を紹介していきます!
Power Apps複数テーブルからのアプリ自動作成が可能に
Power Appsで、Copilot機能を使った複数テーブルの作成や、複数画面のアプリ自動作成が可能となります。
これまでPower AppsのCopilot機能では、Dataverseテーブルの自動作成と、テーブルからのレスポンシブアプリの自動作成機能がありましたが、一つのテーブルで、1画面のアプリしか作成できませんでした。
しかし通常作るアプリは、1つのテーブルしか作らないということはほとんどなく、画面数だってもっとある!と思っていた人も多いと思います。
Copilot機能の拡張で今後、複数テーブルを使ったデータモデリングや、複数画面のアプリを自動作成することができるようになります。
この機能が使えれば、Dataverseを使ったPower Appsアプリ開発効率は格段にアップしそうですぞ!
こちらもまだ実際には使えませんが、今後使えるようになった際は、私のブログやYouTubeでも紹介していきます!
Power Appsリアルタイム共同編集や、コードコピーが可能に
Power Appsで、リアルタイム共同編集や、コードコピーが可能となります。
ついにPower Appsで、複数人によるリアルタイム共同編集が可能となります!
これまでPower Appsで、中規模以上のアプリ開発は難しいのでは…と考えていた人もいると思います。
その理由の一つは、複数人によるリアルタイム共同編集ができないことでした。
しかしこれからは、Power Appsで複数人が同時に編集することが可能となります。
また、Power Apps Studioのコードビューで、開発者はアプリのソースコードをYAML + Power Fx形式で、表示、使用できるようになります。
他の開発者やコミュニティでコードを共有することができるようになりますね。
作ったアプリの一部等を、別のアプリで再利用したい場合等に、簡単にソースコードをコピーできるのは便利そうです。
今後のPower Appsアプリ開発が、より効率化されそうですね!
Microsoft Fabricリアルタイムインテリジェンスのプレビュー開始
Microsoft Fabricで、リアルタイムインテリジェンスのプレビューが開始となります。
Microsoft Fabricは、2023年5月にMicrosoftが発表した「統合データ分析基盤」です。
Microsoft Fabricのリアルタイムインテリジェンス機能では、例えばIoTセンサーから、温度、圧力、速度等のデータを受けとり、リアルタイムにデータを監視することができます。
異常値が出た場合に、アラートを送信する等も可能です。
これまでIoTデータの取得・分析には時間がかかることも多かったのですが、リアルタイムインテリジェンスで、様々なリアルタイムデータをFabric上のグラフに表示することで、リアルタイムに分析し、即時の判断が可能になります。
Microsoft Fabricも有償ライセンスが必要ですが、1カ月間の試用期間も使えますぞ! 気になる方は是非使ってみてくだされ!
ローカルデバイス上でAIを動かせる「Copilot + PC」を発表
ローカルデバイス上でAIを動かせる「Copilot + PC」を発表しました。
6月末販売開始予定のCopilot + PCについても紹介がありました。
Copilot + PCには、NPUというAIを動かすための専用チップが搭載されています。
これまでは、クラウド上に情報を入力して、AIのサポートを得る手段しかありませんでした。
Copilot +PCを使うと、自分のローカルデバイス上でCopilotを動かすことができるため、プライバシーを守りつつ、自分が今見ている画面をCopilotに共有し、サポートしてもらうことができます。
例えば、自分のPCでショッピング画面を見せながら、Copilotと相談したり、ドキュメントや、コード等を共有しながら、Copilotにレビューをお願いできるようになりますね。
Microsoft Buildでは、Xboxのゲーム「マインクラフト」のプレイをCopilotにサポートしてもらうデモもありました。
インベントリ内の素材から、どのように道具を作るのかCopilotに聞いたり、敵がいたとき、Copilotが、これはゾンビだ!逃げて!と声をかけてくれたりしました。
Copilot + PCには、Copilotキーも搭載されているようですな!
Surface以外にも、Lenovo、HP等、様々なPCに搭載されるようなので、楽しみですね。
最後に
この記事では、Microsoft Build2024で発表された、Power Platform、Copilot関連の6つのニュースを紹介しました。
- Copilot Studioの新機能を発表
- Power Automate Desktopで、音声や画面共有のAIレコーディングが可能に
- Power Appsで複数テーブルからのアプリ自動作成が可能に
- Power Appsで、リアルタイム共同編集や、コードコピーが可能に
- Microsoft Fabricで、リアルタイムインテリジェンスのプレビューを開始
- ローカルデバイス上でAIを動かせる「Copilot + PC」を発表
今回は、やはりCopilot関連のアップデート情報が多かったと思います。
今後もAI関連の新機能、新サービス等は色々出てきそうですね。
今後も、AIやPower Platformに関する最新情報を発信していきます。