Microsoft AI Tourとは?
Microsoft AI Tourとは、Microsoftが世界各地で開催している AI 技術の最新動向や活用方法を紹介するイベントです。
2025年3月27日に、東京ビッグサイトで開催したので参加してきました。

Microsoft AI Tourの応募は抽選となっており、登録後抽選に通った場合、参加が可能でした。
また当日は朝食や、ランチ(お弁当)、軽食、おやつ、コーヒー等も提供されていました。

チキン南蛮のお弁当が美味しかったです!
おやつにミスタードーナツも食べましたぞ!
Microsoft AI Tourの中では、色々なセッションや、Microsoftのサービスを紹介するブース、他社のブースが出展していました。
その中で、基調講演のピックアップ情報と、Power PlatformののCopilot機能についての最新情報を少しだけご紹介します。
基調講演のピックアップ
当日は、マイクロソフトの会長兼 CEO のサティア・ナデラ氏が、基調講演「AI変革の時代をリードする」について登壇しました。
この基調講演は、Microsoftの公式YouTubeチャンネルでも公開されているので、誰でも視聴可能です。
基調講演の中で話された内容を少し紹介します。
AI時代の3つのプラットフォーム
AI時代の3つのプラットフォームとして、Copilot、Copilot & AI stack、Copilot devicesの3つが紹介されました。

この3つのプラットフォームそれぞれについて、もう少し詳しく話していきます。
① Copilot
まず1つ目のプラットフォームとして、Copilotは日常業務でAIを活用するためのインターフェース(UI)であるということです。

例えばMicrosoft 365 Copilotや、Microsoft Edgeで使うCopilotのように、ユーザーは、Copilotで主にチャットでのやり取りを通して、AIにアクセスすることができます。
そして、Copilotの裏側では、多くのエージェントが動いており、これらのエージェントはCopilot Studio等で作成・管理することができます。
Copilot Studio(旧Virtual Agentsが統合)は、Power Platformサービスの1つで、エージェントを作成してワークフローを自動化できるものですな。
また、新しい2つのCopilotエージェント「リサーチャーエージェント」と「データアナリストエージェント」が発表されました。

リサーチャーエージェント
- 社内外の情報を活用して高度なリサーチができる
- 製品戦略を立てたり、マーケティングに活用できる
データアナリストエージェント
- データ分析に特化したエージェント
- データアナリストのように大量の生データを分析し、詳細なデータ分析結果を出せる
また、これら2つのエージェントを実現する「深い推論機能」(Reasoning)の新しいモデルを構築しました。
さらに、AIアクションを組み込んだ、構造化されたルールベースのワークフローを作れるようになります(agent flows in Copilot Studio)。
② Copilot & AI stack
2つ目のプラットフォームとして、Copilot & AI stackについても話がありました。
自社でAIを活用したアプリ開発をしたい場合は「Azure AI Foundry」を使うことができます。

Azure AI Foundryでは、以下のようなサービスが提供されており、ここだけでWebアプリ開発に必要な機能がそろっています。
- Azure OpenAI Service:AIモデルをデプロイできる
- Azure AI Search:RAGを実装する
- Azure AI Agent Service:独自のAIエージェントを作成する
- Azure AI Content Safety:セキュリティの対策をする
- Azure Machine Learning:機械学習をする
Azure AI Foundryでは、1,800以上のAIモデルが使うことができます。
日本のAIモデルとして、NTTの「tsuzumi」もありました。
③ Copilot devices
3つ目のプラットフォームとして、Copilot devicesについても話がありました。
Microsoftは、NPU(AI処理に特化したプロセッサー)をPCに搭載して、ローカル上で動くAIモデルを使うことができる「Copilot + PC」を発表しています。
Microsoft AI Tourでは、Copilot + PCのブースもあったので、私も見てみました。
「リコール」という機能では、自分がPC上で行った操作が全て記録され、後から検索等で過去の操作を見返すことができます。
例えば、猫の絵を描いていた時の操作を確認したいとき、リコール機能で「猫」と検索すると、その時の操作の記録に戻れるデモをみました。

Copilot + PCは、Microsoft Build 2024でも発表があり、ゲームのマイクラをCopilotと会話しながらやっていたのが面白かったですな!
以上、簡単に基調講演のまとめになります。
Microsoft Build 2024のまとめは、以下の記事もご参考ください。

Power PlatformのCopilot機能ピックアップ
次に、Power Platformに関するセッション「ローコードと AI で加速するイノベーション: Power Platform」で、Microsoft社の吉田氏が発表した内容を少し紹介します。

このセッションの中では、主に以下の内容が紹介されました。
- Power Appsのプランデザイナーのデモ
- Power Automate for Desktopの録画によるフローの自動作成デモ
- Copilot Studioに深い推論機能を搭載(GPT o1等を採用)
- AIアクションを組み込んだエージェントフローの公開
Power Appsのプランデザイナーは、2025年4月現在はプレビュー機能となっており、言語:Englishの設定にすると使うことができます。
新しいPower Appsエクスペリエンスを試すを「オン」にして、ビジネス上の課題をプロンプトで入力し、送信すればOKです。

ビジネス上の課題を入力すると、その業務フローに関わる「人」と「役割」、「必要なデータ」、課題を解決するために必要な「ユーザーエクスペリエンス」が自動で提案されます。

ユーザーエクスペリエンスとしては、Power Appsのキャンバスアプリ、モデル駆動型アプリ、Power Automateが自動で提案され、ここから自動で作成することもできるようです。
ビジネス上の課題から、業務フロー全体を改善するシステムを提案してくれるのですな!
Power Appsのプランデザイナーについては、以下のYouTube Liveでも少しデモを紹介したので、ご参考ください。
参考:Microsoft Learn「Power Apps における Copilot の概要 (プレビュー)」
また、Power Automate for Desktopの録画によるフローの自動作成デモも紹介していました。
この機能は2025年4月現在、まだ私の環境では使うことができません。
「音声」と「画面」を録画しながら、作りたいフローを言葉で説明することで、自動でフローを作成してくれます。
参考:Microsoft Learn「Copilot を使用した記録でデスクトップ フローを作成する (プレビュー)」
デモの中では、Excelのデータ一覧を、社内システムに転記してデータ登録する操作を自動化したい場合、Excel表と、社内システムを画面に映しながら、実際の操作はせずに言葉で説明することで、フローの自動作成ができていました。
最後に
この記事では、Microsoft AI Tour Tokyoに参加したときの最新情報をまとめました。
Microsoftが世界各地で開催している AI 技術の最新動向や活用方法を紹介するイベントです。
マイクロソフトの会長兼 CEO のサティア・ナデラ氏が、基調講演「AI変革の時代をリードする」について登壇し、AI時代の3つのプラットフォームについて話をしました。
- Copilot
- Copilot & AI stack
- Copilot devices
また、Power Platformのセッションでは、Power Appsのプランデザイナーや、Power Automate for DesktopのCopilotによる録画機能のデモが紹介されました。
Microsoft AI Tourでは、ランチや軽食等も提供され、MVPの人と交流できるスペースもあるので、ぜひ皆さま機会があれば参加してみてください。